滑走させるために
ホープ社のカートップボート(Ninja325)をベースに、2馬力船外機から6馬力船外機に乗せ替えた際の体験を「試行」してきたプロセスと合わせて記事にしてみました。
Model:SUZUKI DF-6AS
5~6馬力船外機の購入を検討されている。あるいは興味を持たれている皆さんが最も気になる事といえば? …やはり馬力アップしたところで滑走(プレーニング)させる事ができるのかどうか⁉ といったポイントになるかと思います。
この記事ではボートを「プレーニングさせる条件」についてまとめております。
記事にしたスズキの6馬力船外機です☟
対策と調整方法
ここからは確認内容と調整する必要のあるところを細かく解説していきます。
船体についての「確認箇所」も含め、船外機とのバランスとして「どこをどう調整すれば」良いのか。大事なポイントがありますので参考にしてください。
トランサムについて
まずは、ボートが何馬力まで対応できるのか? 船体側の確認が必要です。
わたしの場合、船体はもともと2馬力仕様で購入してましたので、6馬力を載せる為には補強が必要でした(そのことは6馬力船外機の購入後に知って慌てる事となりました)
補強は、ボート購入元のホープさんに「ボート持ち込んで」お願いする運びとなりましたが、およそ2週間ほど預けて補強の施工を行っていただきました。
施工していただいた補強内容ですが、船内側に「補強板」をがっちりと入れ、外側の受けパットは、小さな木製から大きめの「樹脂製パット」に交換して頂きました。
トリム角について
ボートの推進力を最大限に発揮するために大事なのは、船外機をボートに取り付けた時のスクリューのポジションと船体の取り付け角度です。※トリム角
トリム角については、調整穴を差し替えながら垂直状態を確認しましたが、穴と穴の中間がおよその水平状態でしたので、クランプ側の反対の「アゴ側」に約5mmのゴム板を接着して着水した時に「垂直になるように」調整しました。
以下の画像のようにボートと船外機の「水平度合い」を確認して調整します。
キャビテーションの状態について
また、キャビテーションの高さも重要です。
キャビテーションの高さ調整については、直付けの状態で船底よりおよそ40mm下がりでしたので、かさ上げ出来る様に30mmと40mmの2種類のゲタを製作しました。
これで海のコンディションによって、深め(ゲタ無し)と中間(ゲタ30mm)浅め(ゲタ40mm)の3パターンでどう違うかを試してみる事にしました。
テスト:穏やかな状態で「浅め」とゲタ無しの「深め」の2パターンで試しましたが、立ち上がりからプレーニングに入るまでの時間差は殆ど感じられませんでした。
また、速度もMAX26km近辺で、結果ほとんど差を感じる事はありませんでした。
つまり、低馬力の領域では教科書通りの差がつかない場合が多いのかな?と感じる事になります。もちろんメーカーによっての全体の構造の違いや、積載重量、船底の形状などにも寄ると思いますので、一概には言い難いのですが、少なくともホープ社のNinja325において、セッティングによる大きな違いは感じられませんでした。
トラブル予防を考えて対処する方法☟
プロペラピッチについて
スズキの船外機、DF6ASの標準プロペラピッチは7インチが付属ですが、ピッチを1つ小さくして、6インチをお試し用で取りつけてみる事にしました。
ピッチについてのロジックを説明しますと、ピッチを大きくすると推進力は落ちますが、トップスピードは上がります。
一方でピッチを小さくすると推進力は上がりますが、トップスピードが落ちます。…自転車のギアに置き換えて考えたら何となくイメージができるかと思います。
このチョイスの目的は、1人乗りでトップスピード30km付近を目指すのか? あるいは2人乗りでのプレーニングのし易さを目指すか? 大まかに言うとそう言う事になりますが... ま、これもとにかくやってみなければ分かりません。
そこで、ピッチ6のプロペラを購入して穏やかな海域で試してみる事にしました(以下に結果をまとめましたのでご参照ください)※釣行時のテストにつき荷物はたくさんです。
ピッチ7(標準ペラ): 立ち上がりからプレーニングまで約12秒 トップ28km
ピッチ6(インチ小): 立ち上がりからプレーニングまで約9秒 トップ26.5km
と、このような結果になりましたので「ピッチ6を採用」する事にしました。
採用の理由ですが、とにかくプレーニングさせる事さえ出来てしまえば、ほんの数キロ程度のスピード差はさほど気にならないからです。
とにかく時速13km付近まで早く到達して、プレーニングさせた方が良いと言うのが私の出した結論です。 ※2人乗り時も推進力が強い方が少し早く進めます。
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まとめ
はい。ここからは6馬力船外機の購入を検討されている人、あるいは興味をお持ちの人にとって、一番知りたい情報をまとめます。
もちろん船体によって個差がありますので、あくまで私の愛艇での体験からの感想になる旨はご了承下さい。 ※船体/Ninja325s(3人乗り)船外機/suzuki DF6AS
この記事のテーマについてですが、結論を申し上げますとプレーニングはします。
但し1人乗りの場合です。…1人乗りの場合だと少々の重たい荷を積んでいても、ほぼほぼプレーニングさせる事は可能と考えていただいて大丈夫です。
もちろん積載重量やバランスでプレーニングまでの時間に差は出ますが、1人での釣行でしたら時速でおよそ23km(重たい時)~27kmくらいまでは出す事ができます。
荷が無く、人間の重さだけだとおよそ30km近くまで出せたかと思います(体重70キロ)※ちなみにプレーニングが始まるのは、およそ12.5km~13kmくらいからです。
つまり、例えば2人乗りの場合でも、仮にそのくらいの速度まで上げてやる事が出来れば、条件によってはプレーニングさせる事が可能になると言う事になります。
私のYouTube動画での航行シーンです(滑走すると回転数が上がります)
↓ ↓ ↓
ホープ Ninja325&SUZUKI DF6AS プレーニングまで
そしてつぎに、多くの人が気になる「2人乗りの場合」です。
荷無しの2人乗りはやった事はありませんが、感覚的な予想を言いますと「荷物無しで軽い人のみ」なら、恐らく条件が合えば、2人でもプレーニングさせる事は可能です。
いつも、釣行での航行ですので、タックル類をどっさりと載せて出ております…それでも追い波などの影響で少しだけプレーニングする場合があります(2人乗りにて)
つまり惜しいところまでは行くのですが、完全にプレーニング出来るとは言えません。
2人乗りにおいては、せいぜい時速MAX約12kmくらいです(平均的には約9~10km)
因みに、2馬力の時は2人乗り&荷物どっさりではおよそ時速6.5~7kmくらいがアベレージだったと思います(1人でもせいぜい8~9kmくらいが限界でした)
ここまでを整理しますと、2馬力から6馬力にアップしても2人乗りで荷物どっさりの状態だと約3~4kmくらいしか速くはなりません。
…ま、しかしそれでもおよそ3割近くは速くなるので、少しは移動時間の軽減にも繋がりますが、1人乗りでのプレーニング感覚を体が覚えてますので、2人釣行の際のスピードに「ストレス」は感じる事にはなるかと思います。
裏を返せばプレーニングさせると、それくらい「世界が違う」という事にもなります。
私の場合は完全に釣り専用ですので、スピードが出なくても、2人乗りでのんびり楽しむ事が多いです。基本的には移動より釣りタイムの方が圧倒的に長いですからね。
因みに、自ら試した事はありませんが「9.8馬力」の場合だと2人乗りでのプレーニングの可否は考える必要は無いと思います。パンパン滑走すると思います。
但し、9.8馬力の場合は持ち運びが一気に厳しくなりますので、船外機の移動が必要な人には、やはり6馬力(以下)が断然お奨めです。 因みにスズキの船外機は約24kg…実は私にとってはさほど苦にはならない重さです。
総括しますと、やはり馬力は高いほど良いのは間違いありません(要は運ぶ、運ばないのスタイル次第です) また、6馬力の2人乗りでも合法な方法があれば船外機をチューンする事で、あるいは更に船体重量のバランスを調整する事で、2人乗りでもプレーニングさせる事ができるかも?知れません。※違法改造は絶対にNGです。
ま、そんなこんなで、これからご購入を検討される人の参考になればと思います。
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