オイル交換に必要なもの
船外機は、エンジンオイルとオイルエレメントの交換だけなら「海上」でかんたんに行うことができます。
この記事では、ボートを海上に係留した状態でのオイル交換の手順を、各作業ごとに「かんどころ」と合わせてわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください(オイル交換した船外機 :SUZUKI / DF-60A)
用意が必要なものは以下になります。
- 廃油缶(ホームセンターなどでも空の状態で売ってます)
- オイル(本機の場合は10W-40。表記の規格が合えば基本OKと考えてます)
- ウエス(オイルが吸収できれば何でも良いです)
- オイルジョッカー(オイルの容量に応じて大きめのものをご準備下さい)
- オイルチェンジャー(オイルの容量に応じて大きめのものをご準備下さい)
- 手袋(中に浸透しないビニール製がおすすめです)
抜き取り作業
まずは、粘度を下げてオイルを抜き取り易くするために、船外機のエンジンをかけて暖機運転を行います(アイドリング状態で5分程度かかっていればOKです)
※これで少しオイルが暖まりやわらかくなって、抜き取りやすくなります。
因みに、この度はこちらのリーズナブルなオイルを入れる事にしました。
オイル粘度の規格(SAEの分類)が合っていれば基本的には何でも良い、というのが元・某マリン系メーカーのメカニックから教わった私の認識ですが、気になる方はマリン用の純正オイルをお使い下さい(本機では10W-40を使用します)
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エンジンが少し暖まったら止めて、サイドにあるオイルレベルゲージを抜きます。
因みにこちらの差し込み口から、古いオイルの抜き取りを行います(日ごろにおいても、オイルの汚れ具合はある程度ここから確認することができます)
はい、オイルチェンジャーの先をゆっくりと挿入していきます(感覚的には意外と浅く感じますが、底に当たったらその位置でOKです)
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次に加圧を開始していきますが、これが最も「時間のかかる作業」となります。
オイルが上がってきて「流速が出来る」まで加圧し続けて下さい。 少しずつしかオイルは上がってきませんし流量も少ないので、この作業が全体でいちばん労力を要します。
途中で勢いが落ちる時がありますので、その時はしっかりと加圧して補助して下さい。
オイルは「小さな気泡」と共に流れておりますので、勢いの確認はその気泡の流れをバロメーターとします(勢いが落ちたら加圧する感じです)
最後は気泡が一気に増えますので、オイルがなくなったのがすぐに分かります。
抜き取りました… 抜ききるのに、およそ13~15分くらいはかかったと思います(2.7L)
抜いたあとは、廃油を一旦はオイルジョッキに入れます。これは「抜いた量を計測」するためです(このラインを覚えておいて、新しいオイルを同量ほど入れます)
はい。量の確認が出来たら、そのまま廃油缶に捨てましょう。
およそ100時間毎には、まめにオイル交換をしておりますが… いつもながら見事なほど真っ黒に汚れておりました。 これぞ「替え甲斐がある」というものです。
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オイルの注入
古いオイルを抜いたあとは、上部のコックを開けて新しいオイルを注入します。
基本的にオイルは粘度が高いので、ドンドンとは入っていきません。 オーバーフローさせないように気を付けて、ゆっくりと注ぎ込んで下さい。
およそ入ったら、まずはエンジンを回します(およそ1~2分程度で充分かと思います)
これは、オイルを回して細部まで行き届かすためです。 オイルが回るとエアーが逃げて、少し油面が下がります。
適当に回した後はエンジンを止め、再度オイルレベルゲージを抜いて、量の確認をします(イボチとイボチの中間を狙って、少なければオイルを足してください)
※赤の両矢で示している範囲です。
狙った油面に達するとOK。 船外機にフタをしてオイル交換は全て終了です。
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まとめ
因みに私の場合だと、日ごろの使用においてエンジンは基本「かけっぱ」です。
つまり「アイドリング状態も含めて」の100時間となりますので、100時間の使用とはいえど、低回転時での「時間割合が大きい」ため、実際には150時間くらいの交換サイクルでも充分ではないか?とも考えておりました。 …ところがいつもこの汚れ具合です。
基本的に船外機のオイル交換の目安は「100時間」か「およそ半年」のいずれか早い方で行う。というのが超セオリーですが、まじめにその通りに行った方が良いですね。
海上では命綱となる、とても大切なエンジンです… しっかりまめにメンテナンスを継続して、長くお付き合いしたいところです。
オイルを完全に抜き取りたい場合や、ギアオイルの交換の時は陸上げして行って下さい。 オイルエレメントの交換については、追って記事にしたいと思います。
※エレメント交換他、こちらで解説しております☟
https://www.metalcontrol.work/entry/2021/12/21/074525
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