食物連鎖を利用した釣り
自然の摂理にかなった「食物連鎖」を利用した釣りは、潮が悪い時でさえ「魚の食いっ気」を促して食わす力がある、まさに最強の釣りと言えます。
釣り方は大きく分けて「落とし込み釣り」、そして「泳がせ釣り」に分かれますが、この記事では落とし込み釣りに、少し軸を寄せた内容としております。
食物連鎖を利用した「最強の釣り」にご興味のある方は、ぜひ最後までご覧下さい。
遊漁船での「落とし込み」はここが肝心
落とし込みで何より重要なのは、言うまでもありませんが「餌付け」の確立です。とにもかくも、ベイトが針に掛からなければ何も始まらないのが落とし込みです。
そこで、ベイトを「いかに掛けるか?」というテーマで、誰もが試行錯誤する訳ですが、掛けやすくするポイントが大きく「2つ」ありますので、ご紹介させていただきます。
仕掛けを長くする
結論から言うと、このテーマこそがもっとも「効果の大きい」手法です。
自作の仕掛けなら、全長は8m以上の仕掛けにして、枝間もおよそ0.8~1mくらいはある仕掛けを作りましょう。枝長は10~20センチていどあれば良いかと思います。
レンジを広くとるほど「エサ付き」は格段に良くなり、合せて「食わせ率」までが、一気に跳ね上がります。これは、まさに効果てきめんの法則です。
実は1本釣り漁師は、およそ例外なく10M以上(20M近い)の仕掛けを使っておりますが、まさにそれが「釣れるロジック」そのものという事になります。
市販の仕掛けを使用する場合は「2連つなぎ」にすると良いです。
それでも5~7M程度の長さにしかなりませんが、枝間の密生度が高い分、アピールは効きますので、それだけでも「ベイトが掛かる率」はグッと良くなります。ヒット率もしかりです。
但し、市販の仕掛けをつなぐ場合はサルカンを確認して下さい。
下の鉛側となるサルカンは上部のサルカンより強度が落ちるものが大半です。つないだ際はそこが弱くなりますので、上仕掛けは下部サルカンを切って、下仕掛けの上部サルカンに結ぶなり、強いサルカンに替えるなりしましょう。
ざっくりとメリットはそんな感じですが、もちろん「入れ食い」になっている時は長くする必要はありません。むしろ手返しが悪くなるぶん長いほど「扱いにくく」なりますし、魚がたくさん掛かっても上げるのに大変です。現場では常に状況判断が肝となります。
いっぽう「長仕掛け」のデメリットですが、まずはとにかく「手返しの悪さ」と「扱いにくさ」です。また、途中から手巻き作業になる為、針刺さりでケガをするリスクも生じます。遊漁船は集団プレイですので、レスポンスの悪さで周囲の人に迷惑がかからないようにする必要があります。
ここまでのポイントを総括しますと、遊漁船でロング仕掛けを使うなら「スペックは太め」にして、魚が何本かかっても「手巻きで素早く」ポンポン巻き上げるようにしましょう(細い仕掛けで時間をかけて上げていると、確実に周囲の人に迷惑がかかります)
遊漁船遊びでの無難な「釣りパターン」としては、切り替えできない自作のロング仕掛けより「市販の仕掛け」をベースにして、食いが良い時は通常の1セットのシングル... そして食いが悪くなったら連結してダブル。という使い分けが良いかも知れませんね。
あるいは手返しの良さと体力に「自信がある人」は、のっけからダブル、もしくは自作のロングで「竿頭を目指す」のもありだと思います。いづれにしても、ロング仕掛けは長くするほど「食いの差」は確実に出るのでぜひ試して比較してみてください。
誘い方を工夫する
次はベイトを付かす「誘い方」についてです。
教科書通りのセオリーは「まっすぐ落として、食わなければまた上げて、まっすぐ落とす」…この繰り返しです。これを推奨する船長も多いかと思いますが、わたしはそれでは不充分だと思っております(遊漁船長は隣人とのトラブル防止も兼ねての意図があるのでは?)
なぜならば、ベイトがイワシやサバの時は、比較的その単調なパターンでも付きは良いのですが、ベイトが小アジで、しかも数が少ない時などは、それではかなり「付きにくい」からです。要はベイト種と、その群れの大きさや、活性によるという事です。
ちなみにわたしは、何のベイトの場合でも、ベイトがいるレンジまで落としたら、一瞬(1秒程度)そのレンジで止めて、そこからは「ロット曲がり」の周期を「約1秒」でつくっては、1秒ごとにスプールを押さえる親指で「放し&止め」を繰り返しながらボトムまで落とします。※途中で長い止めを数回入れる場合が多いです。
ボトムに着いたら、少しラインをふかせて(総荷重が穂先にかからないようにラインを緩める)2~3秒ほど待ちます。そしてゆっくり、ひとシャクりして、もう一度落として2~3秒ふかせます… それで食わなければ、途中で止めを入れながら巻き上げていき、ベイトがいるレンジより「5M~8M」程度上まであげます。そして、また落とす。
およそはそのパターンを繰り返しますが、潮の早さやボートスピードなどにより、その時の感覚でパターンをかえて「アタリパターン」を探してみたりもします。これまで色んなパターンを試しましたが、やはりそのように緩急をつけた方が、全般にはエサ付きが良い気がしております。※ベイトがうじゃうじゃいる時は上げ下げだけでもOK
あとは、「針の大きさ」と「ハリスの太さ」のバランスも重要な要素です。
もちろんベイトが食いやすいのは、小さい針に細いハリスというのは言うまでもありませんが、いずれにしても、針は出来るだけ「小さいもの」をチョイスするようにしましょう。それであって、なるべく「太いハリス」のものがベターと考えます。
ターゲットに合せた「バランス取り」が前提ですが、基本的に針は「なるべく小さく」、ハリスは狙うターゲットが確実に獲れる「最低限の太さ」を選ぶのが、ベストセオリーになるかと思います(注:ハリス20号以上になるとベイトの食いは著しく落ちますので、それ以上のターゲットは1本針の泳がせで狙いましょう)
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プレジャーボートでの「落とし込み」はより柔軟に
プレジャーボートでの落とし込みについては、周囲とのバランスをとる必要がありませんので、無理くり「落とし込み釣り」にこだわる必要は全くありません。
泳がせ釣りと上手く併用させながら、確率の高い釣りを追求してください。
但し、現場の海や気象状況によって「攻め方」はそれぞれかえた方が良いので、そのあたりの攻略方法をご紹介してまいります。ここからはプレジャーならではの、攻め方のポイントとなりますので、プレジャー遊びをされる方はぜひ参考にしてください。
状況別の対処方法
状況による私なりの「ベスト対処方法」をそれぞれのパターンで分けてみました。
【 パターンA 】
Q:ベイトがたくさんいて、イーターもバンバン襲っている時。
A:迷わず全員で落とし込みましょう。仕掛けも手返しをよくするため、市販仕掛けのシングル仕掛けで充分です。言うまでもなく、この状況がベストOFベストです。時合いを逃さないためにも、ひと手間かかるベイトの掛けなおしも必要もありません。サービスタイムを逃さない事が全てとなりますので、とにかく釣りましょう!
【 パターンB 】
Q:ベイトがたくさんいて、イーターもいるけど船が直ぐに流される場合。
A:こんな時は、ベイトが付いてもポイントからすぐ抜けますので、一瞬の勝負となります。獲れたベイトをしっかりと掛け直して、狙うゾーンの上座からしっかりとベストコースを通してイーターに食わせましょう。落とし込み仕掛けでベイトが獲れない場合は「ハリス0.8~1.5号」の小物用サビキを落としてでもベイトを確保しましょう。※小物用のサビキタックルを1本組んでおくと良いでしょう。
【 パターンC 】
Q:ベイトはたくさんいるけど、イーターがいない時。
A:全員、仕掛けを替えましょう。小物釣り用のサビキ(ハリス0.8~1.5号)に切り替えて、ベイトのみをしっかりと確保して移動して下さい。…そして、落とし込み仕掛けOR泳がせの1本仕掛けにベイトを付けて、泳がせ釣りを楽しみましょう。※但し、ベイトがイワシの場合は活かせないので、アジ、サバ、カマス、小イサキなどに限ります。
【 パターンD 】
Q:ベイトは少ないけど、イーターはいる場合。
A:連携プレーが好ましいです。複数人で釣っている場合、小サビキでベイトの確保をする係と、釣れたベイトを付けてイーターを釣る係に分かれるのが、時合いを逃さないためにもっとも合理的な釣り方です。全体の釣果を考えて行動する事で、結果的には各自のお土産も増やす事につながってきます。※小物用のサビキタックルを1本組んでおくと良いでしょう。
【 パターンE 】
Q:ベイトは少なく、イーターはいるが船が直ぐに流される場合。
A:全員が小サビキに替えて、全力でベイトを確保します。但し、時合いを逃さないために最小限のベイトだけを確保したら、直ぐにまた、全員で今度はベイトを付けて流します。ベイトを確保する流しと、ベイトを付けて食わす流しを分けて、繰り返すイメージです。あるいは、船長が操船に撤して同行者にベイトをしっかり確保してもらう展開にするのもいいでしょう。
【 パターンF 】
Q:ベイトは少なく、イーターもいない場合。
A:これが最も厳しい状況です。合せて、ボートが風などで直ぐに流されるような場合であれば、迷わずこのポイントは捨てましょう。逆に、ピンポイントでもベイトが狙える状況であれば、小物用のサビキタックルを使用して、ベイトの確保だけに集中しましょう。それで、それなりのペースでベイトが確保できれば、そのベイトを持ってポイント移動し、泳がせなりに切り替えるのがベターな釣り方です。
この章は、あくまで海の中の状況と、ボートの動きが見えている「船長の視点」からの文脈となっておりますので、なかなかピンとこない部分があるかも?知れませんが、全体戦略とすると、どこの船長も「このような観点」で展開されているかと思います。
まとめ
この記事では「落とし込み釣り」の釣り方を軸にしながらも、プレジャーの章では「泳がせ釣り」にもふれてきましたが、「落とし込み釣り」と「泳がせ釣り」の仕掛けそのものと、手法についての「使い分け内容」は伝わりましたでしょうか。
ついて補足ですが、前提として「釣れたベイト」を胴付きである、落とし込み仕掛けに「付けなおす釣り」も、わたしは「泳がせ釣りである」と定義しております。…実態がその通りだからです。
要は、釣れたベイトを胴付きである「落とし込み仕掛け」に付けるのか?あるいは、ふかせの1本仕掛けである「泳がせ仕掛け」に付けるのか?の違いでしかありませんので、プレジャーの章はそのような見方をしていただければ認識しやすいかと思います。
...例えば、アピールを効かせたい時は「小物サビキ」で釣ったベイトを、胴付きの「泳がせ仕掛け」に3匹くらい付けて流しますし、ベイトのいないポイントで、より自然に食いっ気のないイーターにスイッチを入れたいシーンでは、枝の長い1本針の「のませ仕掛け」に付けて泳がせる事もあります。…そんな感じです。
また、1つ言える事…「ベイトがいるところ」では、胴付き仕掛けにベイトを付けて泳がす方が、食わす確率は高くなります。…なぜなら元気なベイトが泳いでいる中で、針掛かりで変な動きをしているベイトをイーターたちは競い合って襲ってくるからです。
これは、ベイト周りではすでにイーターたちの「元スイッチ」が入っているが故の必然性です。いわゆる「食いっ気」がたった興奮状態にある、という事になります。逆にベイトがいないところでは、泳がせの1本ふかせの方が「自然アプローチ」が効いていい気はしております。
また、最後にタックルの事についても少し触れておきたいと思います。
第一推奨は、手返しの良さ、棚取り、深場へのアプローチを考えると、テッパンは言うまでもなく「電動リール」になります。また、合せて「専用ロット」との組み合わせならば、更に言うことはありません。これが間違いなくベストタックルです。
しかし、スペックによっては「ジギングタックル」でも代用は可能です(但し、アタリロットはMAX150gくらいまでのライトなものが理想となります)※ベイトのアタリの取りやすさや、口切れなどによるロスト防止の為の推奨。
これは、準備不足の為に敷居が高くなっている人や、踏み込むのに「躊躇がある人」におすすめの代案です。※但し、遊漁船の場合はルールがあるので、予め船長に確認しましょう。
代用できる理由は、ざっくり以下になります。
- 道糸とリーダースペックの相性が良い(高負荷に耐えうる仕様が多い)
- ベイトの確保は上下方向への動的な誘いが基本なので感覚的な棚取りでよい
- ジギング用のリールは回収が早いスペックのものが多い
- ジギングとの相互切り替えが簡単で、準備も楽である(メリット)
という事で、ひとまず電動リールをお持ちでない人も、すでにジギングをしている人は、気軽に「食物連鎖釣り」を楽しんでみられては如何でしょうか。
いつも最後までご覧いただきありがとうございます。
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