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この記事は「半・日記形式」で記しております。細かく知りたい人は「解説記事」にジャンプできるよう随所にリンクを貼っておきますので、ぜひご活用ください。
まずは、ボートを上架した際にできる主な「メンテナンス項目」を以下に書き出してみました。エンジンについては「船外機」を前提としております(SUZUKI/DF60A)
- 船底のペンキ塗り(上架時のみ可能)
- エンジンオイルの交換(海上でも可能)
- ギアオイルの交換(上架時のみ可能)
- 各部アノードの交換(海上で交換可能な箇所もある)
- オイルエレメントの交換(海上でも可能)
- 燃料フィルターのチェック(海上でも可能)
- グリスアップ(海上で可能な箇所もある)
- プロペラのチェック(海上でも可能)
この度は、主に上記の項目について施工しましたので、その流れを時系列に沿って解説してまいります。ぜひ最後までお付き合いください。
船底塗装の流れ
ボートを上架して、まず最初に行うのは「水洗い」になります。
貝類や苔などをきれいに落とす必要がありますので、出来れば「高圧洗浄機」で落とした方が効率的かつ効果的です。※この工程をきっちりする事が長持ちの秘訣です
高圧で水をかけますので、残っている船底塗料が少し落ちますが、あまりにも流れるようなら前回の「ペンキのノリ」が悪かったものと判断できます。そして、その原因は塗料のシャブらせ(シンナーで薄めること)過ぎか、下地の洗浄不足が考えられます。※船底塗料は「原液のまま」しっかりと厚く塗るようにしましょう
因みに下の画像はわたしのボートですが、前回塗ったのは「約1年半前」になります。なんと驚く事に、貝類の付着はあまり見られず、苔落としがメインとなりました。また、船底塗料もしっかりと残っておりましたので「厚塗り効果」があったものと思われます(20フィートのボートの船底に4回塗り/4キロの塗料を全て使い切っていた)
はい。次の工程は養生になりますが、ポイントとしては「マスキングテープ」のみを際に貼るのではなく、できれば「シートマスカー」を使って幅広く養生した方が、塗るときの効率性が格段に上がります。※ローラーを躊躇する事なく転がす事ができる
養生をしながら、水洗いした船底の表面が「完全に乾く」のを待ちますが、イケマの口や船外機の取付け部などは、乾燥に少し時間がかかりますので、乾きをしっかり確認してからペンキ塗りをするようにしてください。※あとから水がたれてきます
因みに以下の画像は、となりのボートオーナーさんが、農薬撒き機をブロアー替わりにして「乾燥時短」へのご協力をいただいた時の画像になります。雨直後の曇りでしたので、大変助かりました。※時短を望む場合は風をあてると格段に乾燥が早まります
わたしのボート(YAMAHA/UF20)は人力で船体を傾ける事が可能ですので、傾けながら「塗り残し」の無いよう作業をすすめていきます。※船底形状をよく確認して判断して下さい
人力での持ち上げが不可な場合には、ジャッキなどを利用するのが一般的となります。塗り残しがあると、見事にそこから貝類が付着してきます。※貝類は少し付着しただけでも航行時の抵抗となり燃費が悪くなります
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船底が完全に乾いたら、あとはペンキを丁寧に塗っていくだけです。
ローラーでしっかりと「繰り返し」塗りこんでいきましょう。2~3度塗りが一般的ですが、わたしの場合は持続性に期待して、4回~5回塗り込んでおります。※塗った箇所が完全に乾いてから上塗りしてください
因みに、継続して使用しているのは「ニューカモメ」というメーカー中国塗料が出している品になりますが、こちらは「自己研磨型船底防汚塗料」というものになります。
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【 自己研磨型とは 】
水和分解だけでは「防汚成分」が抜け出したスカスカの表層が残ったままとなり、防汚効果が低下しますが、自己研磨型の場合だと「水和分解」に加えて、そのスケルトン層を自然または水流などで徐々に剥がれていくことによって「新しい表層」が現れ防汚効果を持続させます。
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はい。きれいに出来上がりました。出来上がると、養生を外して完全に塗料が乾くまで放置します。冬場なら最低でも「6時間以上」は放置した方が良いでしょう。※乾かないうちから海に降ろすと溶け出します
また、塗料が乾ききったら船底塗料の際から上部へかけて「市販のワックス」を塗っておくと、苔類が生えてき難くなりますので、この際に塗っておく(拭き取り不要)ことを推奨します。※たったこれだけの事で、苔類の付着をかなり防止できます

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船外機のメンテナンス
この度は、船底の塗装が終わって2日後に、プロの人達に整備にきていただきました。
通常のメンテナンスであれば自分で行うところですが、この度は「リモコンケーブル」の交換という素人では難易度の高い作業がありましたので、依頼した次第です。
そしてせっかくなので、ついでにお願いしたのが「以下の作業」となります。
- リモコンケーブルの交換(この度のメイン作業でイレギュラー項目)
- オイル交換(通常メンテナンス)
- オイルエレメントの交換(通常メンテナンス)
- ギアオイルの交換(通常メンテナンス)
- アノード各部の交換(消耗がみられる箇所)
- インペラの交換(定期メンテナンス)
- 燃料フィルターの交換(詰まりがみられた場合)
- グリスアップ(グリス注入口のある箇所全て)
- 各部の点検(スクリュー、プラグ、ボルト点検など)
こちらの作業については、特に順番がありませんが、難易度の高いものから手を付けていった方が時間配分的には良いかと思います。※インペラやアノードの交換など
上記の作業中、リモコンケーブル交換(イレギュラー)とインペラの交換は、素人作業では少し時間がかかる内容になるかと思いますので、自信がない人は業者に依頼しましょう。
プロペラを外し、糸巻きなどの巻き込み等による「不具合」も、念のためチェックしてもらいました。結果、大きな問題はありませんでしたが、プロペラ内部の「ラバーブッシュ」が少し膨らんでおりました。※原因としては主に経年劣化や、過負荷などが考えられます
当面はこのままでも問題はないそうですが、膨らみ具合や変形が進行した場合には、主軸からペラが外れて滑り出す可能性があるみたいです。このような場合、ペラの交換がベターな判断となりますが、わたしは予備を持つようにして、トラブった時に交換する事とします。※ASSY品なのでゴム部のみの交換は不可にて、プロペラの購入が必要
各アノード(ジンク)もしっかりと腐食しておりました。
アノードは船外機の内部と外部にあり、形もいろいろありますので、取説を読んで取り付いている個所を全て確認しましょう。※アノードは金属の腐食進行を防ぐためのものです
また、インペラもついでに交換していただきました。
見た目ではあまり消耗は見られませんでしたが、船外機を購入して約4年近く経過しましたので、交換しておいた方が良いので、この機に交換しました。※インペラーがダメになると循環する冷却水が上がらずにオーバーヒートする原因となります

プロペラを止める主軸についても、摩耗や欠損が見られないかを確認して、グリスをしっかり打っておきましょう。※ペラをぶつけたり、巻き込みがあった場合は必ず外してチェックしましょう
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こちらは、エンジン外部のアノード(ジンク)になります。
ここには貝類などがよく付着しますので、出来ればときどき綺麗に落としたりしておいた方が、アノードの「防食効果」が継続しやすくなります。

こちらは通常のメンテナンスとは無関係の作業となりますが、ご参考になればと思い記事にしました。ご覧の通り、こちらはウインチになりますが、鋳物のカバーの腐食が進行して穴が開いている状態でした。
このようになった場合の選択肢は「交換か撤去」ですが、わたしの場合はウインチの使用頻度が「極めて少ない」という事もあり、撤去する事としました。※ここには将来「i-Pilot GPS」をつけたいと思います。※i-Pilotとは!?
もしや、アノードのような「腐食亜鉛体」が何処かについていれば、ある程度の腐食進行は防げていたのかも知れません(付いていたのかも知れませんが…)あるいは、使用していなかったので、ケースの腐食が進んだのかも知れませんね。※駆動部は使わなければ問題が起きてきますので、時々動かした方が良いです
まとめ
前回、船底塗料を塗ったのはおよそ「1年半前」でしたが、まだ綺麗な状態(塗り残した箇所は貝類の付着あり)でしたので、次回は2年近くあけても大丈夫かも?知れません。今後も、船外機の「メンテナンス周期」とのバランスを加味しながら、上架の管理していきたいと思います。
因みに、わたしの船外機(SUZUKI/DF60A)は、購入しておよそ4年近くになりますが、使用時間を確認すると、およそ「1200時間」でした。整備に来ていただいた方に感想を聞くと…「ヘビーユーザー」に値すると言われました。ほんとにしっかり遊ばせてもらっております!これくらい海で遊ぶ人はマイボートがあった方が良いですね。

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